なんとなく90年代前半の曲を聴きたければ、これを買えばよかろう、という曲のラインナップです。逆にこのラインナップにいないアーティストを考えたり思い出すのも面白いかも。偶然でしょうが、曲順がドラゴンクエストからはじまり、レイアースで終わるのも時代を感じさせる。

起用されている俳優さんを見ると三谷作品かな？って思える布陣。(笑)ただコメディにするならコメディに！イイ話にするならイイ話に！という部分がどうにもボヤけているように思えたのは残念。犯人の動機もちょっとねぇ。三谷さんが監督をしていればもっと良い作品になっていたかも？それ言っちゃダメなんだろうけど(笑)

他局が未だ持っていない最新情報、スクープ等でいかに他局を出し抜くか、いかに他局を制して視聴率を獲るかが至上命題のワイドショー、ＴＶの世界。命のやりとりがあり得る現場にカメラを持ち込んでリアルタイムで放送することや、命のやりとりを視聴者投票にかけること、視聴者投票結果を改竄すること等、放送倫理にかかわる重大事案を、いとも易々と超えて放送する短絡行動を、メディアサイドがメディア映画として製作した意図は何だったのだろうか。問題提起？　自戒？　自虐？　自滅？

インターネット動画コンテンツが充実していく中で、今年10代から60代が平日にインターネットを使う時間の平均が、平日にテレビを見る時間の平均を超えたという、総務省の調査結果がある。映画一つをとってみても、昔は劇場へ行くかテレビで見るかしかなく、その後レンタルに移行し、今は大方インターネット配信だ。ニュース番組のキャスターを上から目線でものを言う嫌な奴と感じる人、そのニュース番組に対して上から目線で論じる人、人々の立場や感じ方は様々でいい。最近、キャスターの傲慢あるいは嫌味な風情が不快と感じることが多いのは確かだろう。これも人々のテレビ離れが進む中、視聴率確保に悩む業界の姿の表れかもしれない。ワイドショーを批判し謝罪せよと求める立てこもり犯は自分の人生に絶望しており、結局のところワイドショーに救いを求めている。このような若者をワイドショーが救うという設定は、今見るとすでに隔世の感がある。最近の若者の多くはあまりテレビを見ないと言われている中で、澄田と立てこもり犯の間で交わされるやり取り、dボタン投票で犯人の気持ちを変えさせるというシーンは、何だかしっくり来ない。それでも、濱田岳さんの演技のおかげか、さほどバカバカしさを感じずに見ることができた。一方で、ワイドショー製作現場の緊張感、状況に合わせて次々と動く現場の様子は楽しめた。また個人的には、吉田羊さん演じる澄田の妻、業界を知る元女子アナであればこそのセリフと腹の座ったキャラクターがよかった。災害現場に立つ澄田の行動を切り取り報道され、それが彼の中でわだかまりとなっていたが、カフェ立てこもり事件報道の中で事実が明かされた展開にはじんと来た。くだらない番組をくだらないと言いながら、仲間内や家族で見るのが楽しいのだ、と昔誰かが言ったのを思い出した。なるほど、そういう需要もあったか。公開された2016年当時は、フジテレビがテレビの在り方を自らみつめ、人々に問うた作品であったと思われるが、2021年の今見ると、大部分において、製作者側と受け手、双方の意識の乖離を浮き彫りにする作品になってしまったと感じた。特に若い世代に向けたアピールが見て取れるが、両者の思いはすれ違うのみという気がする。ただ、エンディングで流れるKANA-BOONは悪くない。

全体的に戯画的というか大仰な感は否めないけれども、何も考えずに見る分にはよい。つまりはそういう作品。ただ、長澤まさみの演技がイマイチだったのが気になる。体調でも悪かったのかね？濱田岳と時任三郎の演技は安心して見ていられるも、中井貴一はちょっと作り過ぎな気がしないでもなかったが、内容が内容だけに、あれ以上を求めるのは酷なのかもしれない。アルパチーノ主演の狼たちの午後っぽいかなと、無理やり解釈できない事もない、そんな紙一重感を味わえるかも？第二弾が出ればたぶん見ると思う。

「笑っていいとも」が終わりフジテレビも「バイキング」「グッディ」というバラエティになって久しい。競合相手は大阪・関テレの「ミヤネ屋」です。不倫、ドラッグ、政治家の不正、etc. エトセトラ・・・自分の正義を振りかざしたい司会者・コメンテーター、そして視聴者ばかり。　　宮根誠司には隠し子がいるのに、他の芸能人の不倫を取り上げるって何？・・・これも私の正義の振りかざし。　笑っていいともみたいなただ面白いだけのはもう数字が取れないのでしょう。　端的に言えば「他人の不幸は蜜の味」だからワイドショーが流行る。その裏側にはストレスを抱え病んだ現代人がいる。私もその一人。スキャンダル・ゴシップが嫌ならその番組を見なければいい。文句付けながら結局、見てる人が悪い。バラエティ番組を止めさせたいのなら。　通勤電車の人身事故・・・死ぬのは勝手だが他人の迷惑しない方法でやってくれと毎度、Tweet・ヤフコメの嵐に私の精神も慣れました。　ともあれ他人の不幸を欲する需要がある以上、低俗なバラエティ番組の供給はなくならないでしょう。

芸達者な中井さん主演ということで見た。あらすじを読んでコメディかと思っていたが、あまり笑えなかった。奥さんがいい人で、演じるのは吉田羊さん。中井さんは相手役の魅力を引き出す方だが、今回は奥さんとも長澤まさみさん演じるアシスタントのアナウンサーとも絡みは少なめ。一番絡みが多かったのは濱田さん扮する立てこもり犯だが、丁々発止のやりとりとまでいかなかった。今をときめく役者さん達を揃えたものの肝心のストーリーがいまひとつ。残念。

重い映画を観た後に軽いコメディでも、とセレクトしたけど時間の無駄だった志田未来さんが可愛いのが救いで最後まで観てしまったのが悔しい

顔が良いだけのイカレた女子アナ。視聴者を低俗と見下した編成。オレサマの報道組。視聴率しか考えないスタッフ。スポンサーへの忖度ありきの映像。結局手紙は読まないキャスター。どうしようもなく愚かな犯人。民度の低い視聴者からの電話。投票結果もありえないが、それをそのまま流そうという世界の社会問題にも熱心な若いスタッフもおり、それはそれで危ういというか…結局は「演出」して流すあたりに「愚民」と「正しい選択のできるテレビ」という傲慢を感じました。そして、これを自虐じゃないというなら、いったいどう捉えたら良いのかわかりませんでした。「言葉で暴力と戦っているんだ」…いったいどの口が言っているんだか、寒すぎます。中井さんと濱田さんの役どころはともかく、演技はとても良かったです。他の人はちょっと…ただ眩しそうな顔をしていれば渋く見えると思っているだけに思えました。妻と息子のわけわからん加減も、中井さんの孤軍ぶりを表現するためなのかもしれませんが、まったく不要というか不快でした。演技がマシならまだ機能したのかもしれませんが。脚本・演出、☆－５３万。中井・濱田、☆５３万２。